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あふれる魅力再発見

七夕伝説発祥の由来と七夕関連行事のご紹介

「天の川七夕星まつりの会」 代表で枚方文化観光協会理事の鳥居貞義氏にもお話を伺いました!

2011/03/03

今回のあふれる魅力再発見は、七夕伝説発祥の由来や七夕関連行事などをご紹介します。

1年に1度だけ逢うことを許された夜・・・。7月7日は夜空に流れる天の川を見上げて、織姫さんと彦星さんに何をお願いしますか?

枚方市宮之阪商店街の七夕まつり
枚方市宮之阪商店街の七夕まつり
七夕伝説のおこりは、織女(しょくじょ)・牽牛(けんぎゅう)の二つの星が天の川を渡って1年に1度の逢瀬を楽しむという中国の伝説と、古代中国での宮廷行事で7月7日の夜に織女星(ベガ)をながめ祭壇に針などを供えて技芸の上達を願う「乞巧奠」(きっこうてん/きこうでん)の行事が混ざりあって始まったと云われている。
伝説の内容から織女星(こと座のベガ)が織姫、そして織姫の星から天の川を隔てた対岸にある星座が牽牛星(わし座のアルタイル)とされ、願いが叶えられるという意味で両星を祀り、現在の七夕伝説の原形が作られたと云われている。
わが国でも、早くから渡来人(とらいじん)と呼ばれている大陸から来た人たちにより織物の技術の上達を願う「乞巧奠」と言う形で生活風習の中に取り入れられ、日本古来の豊作を祖霊に祈る祭り(お盆)などが習合したものと考えられている。
「日本書紀」によれば持統天皇が691年7月7日に始めて宮中で公卿(くぎょう)を招いて宴を催したのが七夕行事の始まりだと云われている。

平安時代に「交野が原」と呼ばれていた現在の枚方市・交野市における「七夕伝説発祥の地」の由来は、この地に住んだ渡来人たちにより、機織や養蚕の技術とともに様々な大陸文化や故郷に伝わる七夕伝説が語り継がれ、交野ヶ原を「地上での七夕の地」として位置付け、古くからある地名を七夕に因んだ地名に変えたり、またふさわしい新たな名所を作り名付けていったのであろうと考えられている。
この辺りは甘くおいしいお米が実る事から甘野(あまの)と呼ばれ、そこに流れる川は甘野川(あまのがわ)と呼ばれていたが、清流が太陽に照らされて川床の小石が銀河のようにキラキラと輝いて見えたことから宇宙の銀河にたとえ、七夕にゆかりのある「天野川」(天の川)と名付けられた。(貝原益軒『南遊紀行』より)

「かささぎ橋」(写真提供:毛利信二氏)<br>※写真に見える白い袋は、凍結防止剤です。
「かささぎ橋」(写真提供:毛利信二氏)
※写真に見える白い袋は、凍結防止剤です。
  
交野市の倉治には「織姫」天棚機比売大神(あまのたなばたひめおおかみ)を祀る機物神社(はたものじんじゃ)、天の川をはさんだ対岸の枚方市香里団地の観音山公園(中山観音廃寺跡)には「うし石:牽牛石」があり、そしてほぼ中央の天の川に「逢合橋」という名の橋が架かり、この橋で年に一度七夕の夜に二人が逢い愛し合うというロマンチックな話が伝えられている。
天津橋の「彦星イルミネーション」
天津橋の「彦星イルミネーション」
  
また、天の川が淀川と合流する直前には、七夕の夜 鵲(かささぎという鳥)が翼を連ねて橋を架け、二人を逢わせることに由来した「かささぎ橋」、さらに少し離れて織姫・彦星のイルミネーションで飾られ、天の港に由来する「天津橋」などがある。
日本各地に七夕伝説や七夕祭りが盛んな地域は数多くあるが、平安の昔から枚方市・交野市(交野ヶ原)のように地域全体が七夕と星・天体に関連した地名や伝承に彩られている地域は他所になく、我が国における「七夕伝説発祥の地」と言われる由縁でもある。また、この地域の地勢や風光が七夕伝説を生むのにふさわしい素晴らしい景観であったことも一因だと思われている。

枚方市における七夕のお祭りは、宮之阪中央商店街が平成元年より毎年7月上旬の土曜日この付近の十数の地域自治会や団体と共に、商店街のお祭り会場や「恋人の聖地」に指定された天の川/遊歩道で「七夕伝説と出(愛)合いの街」をキャッチフレーズに夏の風物詩として『七夕まつり』を実施している。
[宮之阪七夕まつり会場] (写真提供:毛利信二氏)
[宮之阪七夕まつり会場] (写真提供:毛利信二氏)
交野の「おりひめちゃん」も応援に来ました!
交野の「おりひめちゃん」も応援に来ました!
  
宮之阪地区の1000mにわたる商店街の街路灯や交差点に七夕飾り、天の川遊歩道などには願いを込めた短冊の笹飾りが並び、模擬店や各種イベントが行われる。
  
また夜には、枚方学生ネットワーク「かささぎ」などにより、天の川遊歩道沿いに1000個の灯籠が飾りつけられ七夕灯路(たなばたあかりみち)としてお祭りを一層盛り上げている。

(取材先:「天の川七夕星まつりの会」鳥居貞義 代表、「宮之阪中央商店街振興組合」坂本一彦 理事長)

(出典;参考資料:天の川七夕星まつりの会発行『交野が原と七夕伝説』書籍、天の川七夕星まつりの会ホームページ、枚方市ホームページ、Wikipediaフリー百科事典)

交野が原(枚方市、交野市)に伝承されている七夕伝説を地域住民及び全国に広く発信することにより、地域の伝統文化を次代へ継承することを目的に1990年に発足し活動する「天の川七夕星まつりの会」代表で枚方文化観光協会理事の鳥居貞義氏からお話を伺いました。
中国版七夕伝説『中国神話故事』本の<br>写真を見せていただきました。
中国版七夕伝説『中国神話故事』本の
写真を見せていただきました。
『交野が原と七夕伝説』:子供用と大人用が両開・合本のユニークな編集です。
『交野が原と七夕伝説』:子供用と大人用が両開・合本のユニークな編集です。
天の川笹飾り
天の川笹飾り
  
「天の川七夕星まつりの会」は、毎年7月の七夕には「天の川笹飾り」「七夕伎芸展」「天の川七夕の集い」などの催しや2009年から「交野が原 笹飾りマップ」を作成し、地域の商店街、団体、神社などに七夕の笹飾りの実施やマップ登録を呼びかけている。
[交野が原笹飾りマップ2010]
[交野が原笹飾りマップ2010]
また、それ以外も地域の伝統行事を次世代に継承すべく毎年1月に天の川天津橋上流の河川敷で、お正月のしめ縄・お飾りを焚く「天の川とんど祭」、春秋各2回の「七夕歴史講演会」と「七夕ロマンウォーキング」そして「天の川七夕歌の集い」「秋の観月会」などを年間行事として実施している。
天の川とんど祭
天の川とんど祭
七夕伎芸展
七夕伎芸展
「天の川七夕歌の集い」
「天の川七夕歌の集い」
  
さらに、設立20周年を記念して何時でも無料で楽しく出来る「七夕検定」をネットで立ち上げ、またインターネットのホームページでも行事の詳細を公表している。


「天の川七夕星まつりの会」ホームページをご覧下さい。


※今回の取材で、今まで知らなかった七夕の夢とロマンそして人々の熱い思いに触れることができました。今年の七夕は願いが叶いそうです! ^^

取材・編集ご協力: 鳥居貞義様(天の川七夕星まつりの会)、
             坂本一彦様(宮之阪中央商店街振興組合)、
             青木二郎様(枚方市立地域活性化支援センター)
皆様ご協力、本当にありがとうございました。           by チャリンコ T