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まちのがんばり屋さん

【ゆめづくり 枚方】 株式会社プレスト 紙本櫻士さん

《楽しい人生、楽しい友達、そして楽しい適塾牛鍋パン》

2016/03/04

福沢諭吉の大好物を、現代に再現する!

 偉人や英雄などの著作や伝記を読んで、さまざまなことを知り、そして学ぶことができる。しかし、その人たちがどんなものを好んで食べていたのか、書物の中からうかがい知ることができても、実際に体感し、味覚まで共有することはなかなか出来ない。もし、昔の偉人や英雄たちの愛好した食べ物を、現代に生きる私たちが手軽に味わえたら…。
  一時代を築き、名を馳せた著名人の食に対する嗜好から、その人の人生観や生活感が鮮やかに浮き彫りになり、ときには時代時代の背景・世相まで読み取れるであろう。
 枚方で、コピーライターの仕事を柱に、マルチプルな事業で活躍する株式会社プレストの紙本櫻士社長。幕末・明治の思想家で、慶應義塾を創設した福沢諭吉の書に親しむうちに、福翁が当時、どんなものを好んで食べていたのか、大層興味を抱き、それを再現する「食でタイムトラベル」事業への進出に挑んだ。
福翁が愛した牛鍋を、パンに具としてはさみ、再現。
福翁が愛した牛鍋を、パンに具としてはさみ、再現。
お酒とのマッチングが、大うけ!
お酒とのマッチングが、大うけ!
コンセプトは、“味の時間旅行”
コンセプトは、“味の時間旅行”

「適塾牛鍋パン」商品化計画、いざ始動!

 「歴史に登場する著名人が好んで愛した、その食を現代に提供できたら、面白い!」。それが紙本社長が発案した、“適塾牛鍋パン”の商品化計画だ。
 「福沢諭吉は若い頃、大阪大学の前身・適塾(大阪市中央区北浜)の塾頭でした。福沢の日記『福翁自伝』に、当時流行った牛鍋(うしなべ)について記述があり、この鍋を食べさす店が、昔の大阪に二軒(難波橋南詰・新町)あり、常連客の福沢は、しばしば店に通い、牛鍋を食べながらお酒を飲むのを楽しみにしていたようです。福沢が愛してやまなかった、そんな文明開化の味を、現代に手軽に味わえるようにできれば、商品として価値あるものになるのではないだろうか、と思いました。特製の牛鍋の具を、やはり福翁の好物だったパンにはさみ、現代風にバーガー仕上げとして商品化したのが『適塾』の名を冠したパンです」。
 福翁の文献を参考に、食材に牛肉、ネギ、白菜を用い、味付けは味噌味とした。
 パンは、京阪・枚方公園駅近くのフレンチ料理店・ビストロ ル・パッサージュのオーナーシェフ、藤下貴夫さんに焼いてもらい、北大阪商工会議所青年部で知り合った、広瀬不動産社長の廣瀬早苗さん、行政書士の宮田行さんとともにプロジェクトを組み、新たな事業としてスタートさせた。

「マルシェ・ひらかた」で、弁当販売がきっかけ

 商品発想には「単なるパンではなく、物語性を大切にしたい!」という紙本社長。
そもそも“適塾牛鍋パン”商品化計画の発端は、平成26年12月、枚方岡東中央公園で開催された地域振興イベント、「第23回マルシェ・ひらかた」での出展がきっかけだった。
“平安・江戸・明治の貴族や文化人は、いったいどんな食事をしていたのだろう?“という疑問からアイデアを膨らませ、〈割烹一の谷×ハレの日農園×北村みそ本家 お弁当タイムトラベル〉と題して、紙本社長が中心となり枚方市内の日本料理店や農園、みそ店の担当者らが協力して3時代の弁当を創作した。
この時、“適塾牛鍋パン”に至る前の、“適塾牛鍋弁当”が、明治を象徴する弁当として販売された。
 素材・味覚・価格など、さまざまな観点から検討。
 珍しいこととアイデアが受けて、会場に用意した50食は昼過ぎには完売。大変盛況であった。
 弁当に続いて、昨年開催された「第24回マルシェ・ひらかた」では、“適塾牛鍋パン”を大々的に宣伝販売。ブースを訪れるお客さんに、福翁に習って清酒を振る舞ってすすめたところ、牛鍋とパンの“意外にもマッチする組み合わせ”が人気となり、これも早々と完売。来場者が次々に訪れ、おおいに話題を呼んだ。
“適塾牛鍋パン”に至る前の、“適塾牛鍋弁当”
“適塾牛鍋パン”に至る前の、“適塾牛鍋弁当”

適塾牛鍋パンとイベント! 枚方を盛り上げたい!

 紙本社長の素晴らしいところは、豊かな創造力と確かな実行力である。
 その一つが、商標ビジネスへの挑戦。適塾牛鍋関連商品の企画・販売にあたり、困難かと思われる“適塾牛鍋”の商標登録に成功した。
 さらに、大がかりなイベントへの取り組みである。
「昨年の9月27日、淀川河川敷で、中秋の名月を観月する『千人の月見の宴』を開催しました。かがり火を焚き、日没後神主によるお祓い・奉納「薪能」を鑑賞後、ジャズ音楽を楽しむ催しで、“千人”のところ、実に参加者は約1.5倍に膨れ上がりました。来場者、主催者とも、感動に酔った一夜でした」。
この事業は、「平成27年度『おおさか地域創造ファンド』に採択され、重要無形文化財総合指定の認定を受けた能楽師・辰巳満次郎さん、日本を代表するジプシースイングジャズギター奏者・山本佳史さんが率いる『山本佳史トリオ』の一流どころを招き、一部の升席を除いて、参加費無料で行われた。
いつも「楽しい人生、楽しい友達」を合言葉に、異業種の仲間とともにネットワークを組み、さまざまな面白いことを考えておられる紙本社長。
まずは、“適塾牛鍋パン”の製造・販売ルートの整備・拡充のため、忙しく東奔西走されている。

能楽師・辰巳満次郎さん<br>■平成28年9月15日(木)、中秋の名月の日に開催予定。
能楽師・辰巳満次郎さん
■平成28年9月15日(木)、中秋の名月の日に開催予定。
山本佳史さんが率いる『山本佳史トリオ』
山本佳史さんが率いる『山本佳史トリオ』
■株式会社プレスト
枚方市伊加賀西町57-4
電話:072-846-8433