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まちのがんばり屋さん

がんばるママを応援したい!

すべては起業からはじまった。

2010/01/14

最近のお母さんたちは、よく働き、よく家事をし、よく子育てする!!なんてパワフルなんでしょう。
今回はそんなお母さんの中から「食育ステーションまきの」(牧野本町商店街内)の野村理事長をご紹介致します。
このお母さんはスゴイ!ですよ!!
きっと皆さん圧倒されるし、私もがんばらなくっちゃっ!!って励ましをうけますよ。
記者は、わがまま気ままな特派員が行く!の「コッチモ」です。

NPO法人 ふれあいネットひらかたのはじまり

野村理事長は大学を卒業してから松下電器で8年間システムエンジニアとして働き、出産をきっかけに退職をして自宅でパソコンの仕事をはじめられました。これが自分の起業の基点だそうです。
それから、パンに目覚めて師範の免許を取って教室を開き、外でパンを売り出すようになり、NPO法人を設立し、店を構えるようになったと明るく答える理事長。
さあその物語を今からお披露目致しましょう。
野村理事長
野村理事長
パンの師範の免許をとり、2002年5月に自宅で子連れOKの手ごねパン教室を開きました。
子育てしてるお母さんって、習い事したくても子どもを連れていけるカルチャセンターってあまりないんですよね。
私も子どもがいて同じ思いをしていたので、子どもを連れてパンが習える教室が開きたかったんです。

わたしと同じくらいの世代のお母さんたちが、生徒さんとして集まってくれて、クチコミでどんどん増えていきました。
1、2年教室をやっていくうちに生徒さんも上達し、みんなで近くの牧野公民館のお祭りで、手作りパン「限定200個」を販売してみようかということになり、出店すると30分で完売しました。
それから私たちも調子にのって各公民館のお祭りで出店し、どこでも完売になり「おいしい」と好評でした。

本格的にやろうよということになり2003年に「パン・デ・ママ」を結成しました。

ある時、私の知り合いで牧野駅前商店街に、花屋の店を出すという人がいて、「野村さんパンを売らない?」と言われ、「やってみよう!」ということになり、2004年1月に花屋&パン屋(週3回限定)のお店を開いたんです。

そしてクチコミでお客さんが定着するようになりました。その頃に米粉と出会ったんですよ。
それまでは小麦粉パンでしたが、米粉のおいしさにはまってしまい、米粉のパンを売るようになりました。
1年半くらい経った時に、いつまでも花屋さんにお世話になる訳にもいかないから独立したいね。という話が出ました。

その頃、パン販売だけではなく、「地域に何か役に立つ事をしたい!」「自分たちも子育てでいろいろ経験してきて、しんどい思いも体験してきたし、お母さんたちの子育てを手伝いたい!」という思いがありました。しかし、独立するにもお金がないからどうしようかな。と、枚方市役所の産業振興課へ相談に行きました。
そして、商店街活性化の補助金が国から2分の1お金が出ることを知りました。
そのお金を出して頂くためには、NPO法人を設立した方がいいということで、2005年6月に「NPO法人 ふれあいネットひらかた」立ち上げました。

そこから店舗を探して、たまたま牧野本町商店街の中に1階、2階が空いていたので、ちょうどいいんじゃないかな。ということで契約して改装し、2005年9月に米粉で焼いたパンの店「パン・デ・ママ」地域の子育て応援ひろば「食育ステーションまきの」がオープンしました。

子どもの居場所づくりと食育と商店街活性化の為に!!

食育ステーションまきの
食育ステーションまきの
NPO法人 ふれあいネットひらかたの事業は大きく3つに分かれています。
1、米粉で焼いたパンの店「パン・デ・ママ」
2、
地域の子育て応援ひろば「食育ステーションまきの」
3、市内7か所の生涯学習市民センターでパソコン教室

この3つの中の
地域の子育て応援ひろば「食育ステーションまきの」を紹介します。

「食育ステーションまきの」は最初、2階で開いていたのですが、1階が空いたので新たに店舗を借りて改装し、2008年8月19日に料理室を新設しました。
小さい子どもが安全に楽しく使える工夫を色々したくて、大工さんと相談をして部屋の真ん中に大きな調理台を置き、その下に収納式の踏み台を置きました。そこに3歳の子どもが立ってちょうどいい高さで料理ができる様にしたり、ガスは危ないのでIHコンロを2台調理台に組み込みました。
包丁、まな板、お玉などの調理道具も子ども用のものを揃え、食器もおちゃわん、お皿など子ども用の陶器を揃えました。
大工さんが工夫して作った調理台。<br>IHコンロが組み込まれ、踏み台が年齢や背丈に応じて立てるように、調整されている。
大工さんが工夫して作った調理台。
IHコンロが組み込まれ、踏み台が年齢や背丈に応じて立てるように、調整されている。
子どもが使いやすいように工夫された調理道具。
子どもが使いやすいように工夫された調理道具。

「小学生のキッズ・キッチン」

八百屋さんで買い物をする子どもたち
八百屋さんで買い物をする子どもたち
食育ステーションの取り組みの中で、子どもの居場所づくりと料理教室を組み合わせた「小学生のキッズ・キッチン」という活動があります。
子どもたちが学校から帰ってきて、放課後こちらに来ます。そして自分たちで財布とエコバックを持って買い物へ行きます。
牧野本町商店街のお肉屋さんや八百屋さんなどで買い物をして料理をします。おやつも手作りしてみんなで片付けて、夜の7時までいっしょにすごします。

夏休みは長いので、お母さんが働いていようがいまいが、大変!ですよね。
そんなお母さんたちのために、夏休みは毎日子どもたちをあずかることにしました。

私も小学6年生と中学2年生の子どもがいますが、働いていると家で留守番させておかないといけない。周りのお母さんたちも同じなので、「じゃあここでみんなで集まろうよ。家でお弁当作ってくるのは大変だから、ここでみんなで作ろうよ。」そして商店の皆さんにも協力を呼びかけました。
お店の人は、子どもたちが買い物に行くと、すごく喜んでくれて、声をかけてくれるんです。「今日学校で何をしたの?」「じゃがいもにはメークインと男爵があるのよ。」「この玉ねぎは淡路島から来たのよ。」ということを話してくれて、お店がにぎやかです。

「小学生のキッズ・キッチン」の効果

ここで夏休みを過ごす子どもたちは、夏休みが終わる頃にはすっかり料理の段取りがうまくなっています。家で料理を手伝いだすようになり、それだけでなく洗濯や掃除も手伝い、お母さんも大助かりで喜んでもらっています。
いちから料理を教えます。だしもとります。わらびもち作りもいちから教えます。わらびもちが自分で作れることを子どもたちは知らなかったりします。スーパーで箱に入って売ってますからね。
そんな新しい発見を子どもたちはしています。イチゴ大福やパンもいちからつくります。
手作りの本物の味を知ってほしいと思います。
「小さい頃から料理をすることで好き嫌いがなくなり、嫌いな野菜もどんどん食べますよ。」と野村理事長。
「小さい頃から料理をすることで好き嫌いがなくなり、嫌いな野菜もどんどん食べますよ。」と野村理事長。
包丁の使い方がみんな上手!!
包丁の使い方がみんな上手!!
ソーセージ作りにチャレンジ。
ソーセージ作りにチャレンジ。
キッズ・キッチンを卒業した中学生たちもきて、みんな仲良く料理をしています。
キッズ・キッチンを卒業した中学生たちもきて、みんな仲良く料理をしています。
クッキーの型を真剣にとっています。
クッキーの型を真剣にとっています。

商店街とタイアップして大人向け体験料理教室を開催

洋食屋のシェフが1日講師で調理実習。
洋食屋のシェフが1日講師で調理実習。
この牧野本町商店街には、お肉屋さん、洋食屋さん、そば屋さん、八百屋さんなど個店が30店舗ほどあります。
商店街には、おいしいこだわりのものがいっぱいあるんですよ。
それを知ってもらいたくって、タイアップして体験教室をはじめることにしました。
店長さんを1日講師として招いて調理実習をして頂くことになりました。プロの味と技を知りたい!ということで、すぐ定員いっぱいになりました。
「商店街にこんなおいしいものがあるって知らなかった!」「ぜひお店に行ってみたい!」と好評でした。
はじめて行くお店ってドアを開けるのに勇気がいるんですって。
この体験教室で、「店長さんとすっかりうちとけて、このあと何回もお店に行きました。」と聞きました。
お店のことを知ってもらういい機会になったんです。

30店舗あったら30人のプロがいるんですよ。私は米粉のプロ。
一人ずつよんでも30回体験教室ができるわけですよ。
そして、そのお店の店長さんも知ってもらえて、商品もこだわりのサービスも知ってもらえるのでこれからも続けていきたいと思ってるんです。
体験料理教室の内容
○洋食屋さんの「お家でできる本格的なハンバーグ&グラタン教室」
○そば屋さんの「そばうち体験教室」
○酒屋さんの「日本酒のおいしい飲み方と酒に合う料理の作り方教室」

さらに料理だけでなく
○花屋さんの「フラワーアレンジメント教室」
○薬屋さんの「正しい薬の選び方と飲み方教室」
○カフェのマスターが教える「おいしいコーヒーと紅茶の入れ方教室」

今までの取り組み

この4年間で保育園・幼稚園・小学校・商店街・農家・企業・行政などいろんな所とつながりを持ちながら、食育活動をして来られた理事長。また、この他にも色々な取り組みをして来られたました。簡単に紹介しましょう。
3歳から未就学児を対象
3歳から未就学児を対象
◎3歳からの幼児のためのチャレンジクッキング教室
月2回、日曜日に開催。
料理を基本から学び、自分で作ることでピーマンや人参など嫌いな野菜が食べれるようになります。
レタスの収穫
レタスの収穫
◎親子で学ぶ農業体験教室(場所は枚方の穂谷)

野菜の種植えから収穫までを体験。
青桐保育園の園児に食育の楽しいお話し会
青桐保育園の園児に食育の楽しいお話し会
◎保育園・幼稚園・小学校へ食育の出前講座

保護者向けには「食育講座」、子ども向けには「クッキング教室」や、紙芝居や食べ物カードを使って「食育の楽しいお話し会」を開催。
◎米粉で焼いたパンの店「パン・デ・ママ」(火~土曜日に営業)
きんぴらごぼう入りおにぎりパン(130円)
きんぴらごぼう入りおにぎりパン(130円)
しっとり・もちもち・ごはん味の米粉の食パン(250円)
しっとり・もちもち・ごはん味の米粉の食パン(250円)

これからの展開・・・

他の商店街もそうですがお客さんが減ってさみしくなっています。
キッズキッチンや体験料理教室の取り組みを他へも波及させていき、商店街の活性化につなげたいと考えています。
スタッフみんな仲良しで、まわりに助けてもらっています。と語る野村理事長。
おいしい米粉のパンの開発をしながら、子どもたちと商店街のために日々考え、良いアイデアが思いつけば実行していくパワーに圧倒されました。
食育を通じて子どもたちの居場所作りと、お母さんたちの手助けをはじめていくうちに、地域とのふれあいが広がり、自分の街を愛し、もっと良くしたい!!自分の街のいいところをみんなに知ってほしい!!!という大きな願いも持たれたようで、今後のご活躍が楽しみです。
この取材を通して、今の時代の女性の力強さを感じました。

「食育ステーションまきの」の詳しい情報はこちらをクリック!